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2015年度企業・団体サポーター交流会を開催しました。

2015年度企業・団体サポーター交流会を開催しました。

2015/08/24

 にっぽん子育て応援団は7月2日、東京・日比谷の第一生命保険株式会社日比谷本社新館6階ABC会議室において、「企業・団体サポーター交流会」を開きました。にっぽん子育て応援団にご支援いただいているサポーター企業、団体の方々との交流をはかるべく、毎年開催しているものです。今回は、「ダイバーシティ・マネジメント」をテーマに基調講演やパネルディスカッションを行いました。



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◎開会によせて
 会場を提供くださった第一生命保険株式会社執行役員、山本辰三郎さんが挨拶。女性社員が多いことから男女ともに働きやすい制度を整備しているほか、ご自身の経験を踏まえ、仲間がお互いを尊重する風土が大切であることをお話されました。

◎国の制度の説明

蒔苗課長レクチャー.JPG

 続いて、厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課の蒔苗浩司課長が、最新の両立支援の取り組みについて説明しました
 男性の育児休業取得率は、直近の平成26年度で2.30%と右肩上がりとなっていますが、2020年には13%にするという政府目標には及ばないとして、啓発に一層力を入れる必要があると指摘。男性の家事・育児の参加率が高い方が女性の継続就業につながりやすく第2子以降の出生率にも影響を与えていること、昨年4月の雇用保険法の改正で育児休業給付の給付率が引き上げられ、実質的には手取りの8割程度が保障されるようになり、男性の育児休業取得者が増加していることなどが紹介されました。
 また、平成22年からイクメンプロジェクトをスタートさせましたが、上司の理解がないと育児休業等も取得できないと昨年度からはイクボスプロジェクトを推進。実践を表彰し、好事例を情報発信するなどして、地方にも広げていこうとしていることが紹介されました。
 さらに、次世代育成支援対策推進法を改正し、一段と高い取り組みを行っている企業に対しては「プラチナくるみん」を使えるようにし、授乳コーナーなどの資産に対する割増償却制度も3年間の期間延長されていること、くるみんマークの認知度が低いため自治体のゆるキャラとコラボしていることなども取り上げられました。
 最後に、現在行われている育児・介護休業法のさらなる見直しでは、介護休業を分割取得など、家族の介護を抱える人に利用しやすい制度に向けた検討を行っていることにも触れました。

◎基調講演

安藤団長基調講演.JPG

 にっぽん子育て応援団の共同団長である安藤哲也・ファザーリングジャパン代表理事が、「ダイバーシティ・マネジメントができる上司が社会を変える」と題して、イクボスの重要性について説きました。
 まず、自分自身が10年間、子どもを保育所に送り迎えする中で育児と仕事の両立の難しさを実感、働き方を見直したことを紹介しました。そうした経験があるからこそ、部下にも両立する上でのノウハウを伝授するなどマネジメントができたことを強調。時間に制約がある社員をいかに活用するかなど、人材活用のマネジメントを日本の管理職は基本的に学んできていない点に問題があることが指摘されました。
 そこから、男性が働き方を見直し、積極的に育児に参加するというイクメンが増えると社会が活性化し、個人のメンタルヘルスも改善されるので会社の生産性が上がるとともに国全体としては女性の就業率が上がると訴えました。男性の長時間労働や休暇が取得しにくいという構造的な日本の働き方の問題は、一方で過労死など不健康な働き方を生み出し、男性が家事や育児参加できない事態をもたらしていることにも言及。男性が家事や育児に参加することは、女性のキャリアアップにつながり世帯としての収入が増加するだけではなく、子どもの精神的な成長にもメリットがあり、地域の友人も増えるほか、仕事にも有効な能力が身につくことになるのではないかと説きました。
 こうした働き方の見直しのためには、業務を見える化するなど、柔軟性のある組織となることが重要だと指摘。これからは子育て中の女性だけではなく、高齢者や外国人、がん治療中の人など制約のある社員が増えると考える必要があると提起し、それだけに従来型の働き方の認識を改める必要があると訴えました。また、周囲に知られないように介護に時間を割く社員も少なくないとして、そうしたプライベートも打ち明けられるような信頼感を築くことが重要であり、個々人のモチベーションが下がらない工夫が大事なことを訴えました。イクボスはプライベートも楽しむ人であることを強調。イクボスを増やすためには繰り返しの研修だけではなく、管理職の評価を変えることも必要だと説きました。

◎パネルディスカッション
 「ダイバーシティ・マネジメントの現場から」と題して、第一生命保険株式会社の取り組みやイクメン・パパの実践談といった具体例を素材に今後の課題などについて意見交換しました。

 第一生命保険株式会社人事部の鮎沢慎一次長が、同社のワークライフバランスの取り組みについて説明。両立支援施策の充実として、産前産後休暇の有給化や短時間勤務/残業免除、育児時間の取得など子どもの成長に伴った休暇などを整備する一方、ワークスタイルの変革として、総労働時間の縮減とともに、育児休業の取得の勧奨、子どもが主役デー(職場参観日)を実施して育児参画意識の向上を図るなどしてきたことを報告しました。今後の課題としては、男性の育休取得者をさらに増やすことを挙げました。

 また、同社株式部の安部健一郎次長は、就学前の子ども2人を抱える共働き家庭の生活ぶりについて報告しました。午前4時半ごろに起床し、幼稚園児の長女のために週の半分はお弁当作り。登園後、7時半ごろ出勤し、19時頃退社。洗濯や掃除なども平等に分担していることを紹介しました。2人目妊娠時の奥さんのつわりがひどかったために家事を担当するようになり、そこから家事に対する意識・スキルもアップ。奥さんに仕事を理解してもらい、前倒しで仕事を進めるよう気を付けていると言及しました。難しい点として、子どもの病気でも預けざるを得ない時など子どもや周囲に「申し訳なく思う」ことや、家事・育児・仕事の間でバランスを取ることが難しく、すべてに満足を得ることができない点を挙げました。その上で、女性が活躍の場を広げることは不可欠であり、いろいろな選択肢があることが豊かで楽しい社会になるのではないかと話しました。

 にっぽん子育て応援団企画委員の岩田喜美枝・21世紀職業財団会長は、安部さんの発言がかつてのワーキングマザーと同じ悩みだと指摘。会社に対しては時間当たりの生産性で貢献しているので申し訳なく思う必要はなく、子どもにも愛情は注がれているのではないかとアドバイスしました。

 にっぽん子育て応援団団長の勝間和代さんは、残業の縮減について、労働生産性を上げることに尽きると断言。アメリカでは長時間労働をさせた管理職が辞めさせられるなど、ダイバーシティを重視しないと会社がつぶれるという危機感があることを挙げました。それに対して、これまでの日本ではそこまでしなくても会社はつぶれないという意識があったと指摘し、第一生命保険が長時間労働を変えようとしていると評価。労働時間の削減を進めるのがイクメンだと呼びかけました。

 同じく企画委員で10年前に経済産業省で初めて育児休業を取得した山田正人さんは、入省して15年後に育休を取得しましたが、当時は無制限に働く環境だったと振り返りました。育児休業期間中は、物事が同時多発的に対応せざるを得ないが、仕事は予定調和の世界なので効率的な働き方ができるようになると説きました。最近では、育児休業明けなど時間制約のある部下が送られてくるようになったため、どうやってアウトプットを高めるかを考えると個々人の内発的動機に火をつけるしかないことに気付いたと報告しました。

パネルディスカッション (2).JPG

 勝間さんは、こうしたマネジメントに対してスキル投資をするという意識がない点を問題に挙げ、やる気の引き出し方など既に知られている手法を体系的に教えることで生産性が上がる可能性がある点を指摘しました。

 岩田さんも、今後は女性も仕事を継続してキャリアアップすることが当たり前になるので、家事などを夫婦でシェアする意識を持つことが必要だと強調。いつまでも会社にいられるわけではなく、トータルの人生でどれだけ幸せになるかを考えるべきではないかと問題提起し、男性の幸せのためにも働き方の常識を変える必要があると説きました。

 安藤さんは、パネリストらの発言を受け、今、世の中を変えるチャンスであり、変わらないと幸せにならない、子どもたちが未来に希望を持てる社会を一緒に作ることがすべての大人の責任ではないかと締めくくりました。

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