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【ご報告】子育て応援フォーラム「ここから始まる子ども・子育て会議元年~緊急事態にも揺るぎのない子育て支援のしくみづくりを!」

【ご報告】子育て応援フォーラム「ここから始まる子ども・子育て会議元年~緊急事態にも揺るぎのない子育て支援のしくみづくりを!」

2013/01/29



 1月18日(金)子育て応援フォーラム「ここから始まる子ども・子育て会議元年~緊急事態にも揺るぎのない子育て支援のしくみづくりを!」を開催しました。
全国各地から、たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

以下、フォーラムの報告をいたします。


◆第1部 「地方版・子ども・子育て模擬会議─どうやって進めたらいいの?」◆

 藤崎健吉さんをファシリテーターにお招きし、子ども・子育て会議を想定した理想的な模擬会議を実演しました。

配役
 ◇座長:藤崎健吉さん( 代表)
 ◇委員
 A:妊娠中に引っ越してきたため、まだ慣れない地域での子育て中。子どもは7か月。
 B:育児休暇を取得中の二児のお父さん。保育園年長の息子と、娘6か月。
 C:保育園利用中。子どもは2歳。
 D:保育園園長
 E:幼稚園園長
 F:地域のNPO法人
 G:地域企業の人事担当者
 H:○○連合組合。子どもは小学生。
 I :○○小児クリニック。病児保育室を併設。


 その後、参加者は、模擬会議をみて気がついたことを付箋に書き出し、グループごとに話し合いました。また、グループでの話合いを発表、全体で共有しました。
様々な立場の方にご参加いただき、意見を共有する機会となり、アンケートでは大変好評でした。

こども・子育て会議開催のポイント
子ども・子育て会議のあらまし

◆第2部 子育て応援フォーラム◆


 「ここから始まる子ども・子育て会議元年~緊急事態にも揺るぎのない子育て支援のしくみづくりを!」と題して、子育て応援フォーラムを開催しました。樋口恵子団長の挨拶にはじまり、全国3か所で実施した研究会「子ども・子育て支援の先駆事例に学ぼう!」の報告、自治体首長にも参加いただいたパネルディスカッションといったプログラム。ご多忙の中、森まさこ少子化担当相もお見えになりました。最後に、ここから子ども・子育て会議元年が始まることを宣言しました。樋口団長の挨拶、パネルディスカッション、それぞれとても素晴らしい内容でしたので、そのエッセンスをご報告します。




 樋口団長は、消費税増税だけが目立つ社会保障税一体改革に対し「やらずぶったくりで、社会保障制度は何一つ良くなっていない」との批判があることを紹介した上で、「子育てにしっかり予算をつけること、全世代で子どもを支えること、社会保障の中に子ども・子育てを位置づけることは実現した。社会保障制度が、年金・医療・介護・子育て支援の4本柱となったことは事実」と主張しました。
 また、当事者をはじめとする国民全体が参画する「子ども・子育て会議」については、新しい制度の“魂”と指摘。ただ、先行する介護保険でも当事者参画が法令上盛り込まれながらも、十分に機能しなかった例を挙げ、当事者が努力し、各地の取り組みをウォッチし続けることが大事な旨を訴えました。そして、平成25年から子ども・子育て会議がスタートしますが、本日が子ども・子育て会議元年の元日であると呼びかけました。


 先駆事例に学ぶ研究会は、三鷹市、尼崎市、仙台市で開催。奥山千鶴子企画委員がその内容を報告しました。それぞれのテーマは、「行政職員とNPOが語る『三鷹のひみつ 横浜のちえ』」、「自治体トップと語るわがまちの子育て支援~きょうどうの尼崎 走り出した池田~」、「被災地から新しい子育てシステムを!」。研究会では、三鷹市や横浜市、兵庫県尼崎市、大阪府池田市、岩手県陸前高田市、仙台市の首長や行政担当者、子育て支援NPOなどが、それぞれに連携・協働して独自の子ども施策を模索し、作り上げてきた経過などが紹介されました。映像を交えてその様子が報告されました。
 さらに、3つの研究会のポイントを倉田薫企画委員が総括。お任せ民主主義ではなく、子育て当事者が積極的に提案していくことが重要な点を指摘しました。




 「子ども・子育て会議元年 地域でどう進める?」と題したパネルディスカッションでは、パネリストとして内閣府政策統括官(共生社会政策担当)の山崎史郎さん、箕面市長(大阪府)の倉田哲郎さん、流山市長(千葉県)の井崎義治さん、慶應義塾大学教授で子ども・子育て新システム検討会議で委員を務められた駒村康平さん、読売新聞東京本社・社会保障部次長で長く子ども・子育て分野の取材をしてこられた榊原智子さんらが登壇。安藤哲也団長、勝間和代団長がコーディネーターを務め、丁々発止のやりとりが繰り広げられました。




 まず、山崎さんが「子ども・子育て支援新制度」の意義と期待について説明。子ども・子育て支援新制度は、地域で子どもたちを総合的に支援するための仕組みであり、実施主体は事業計画を策定する市町村だが、当事者などが参画する地方版子ども・子育て会議は事業計画をどのように進めていくのかという運転手の役割を果たすと説きました。その上で、地方自治体への設置は努力義務ではあるが、当然設置するだろうという強い期待がこめられていることを明らかにしました。
 続いて、市長在任中に育児休業を取得した倉田さんが、箕面市の取り組みについて説明。保育所を増設してもそれを上回るほど保育所の利用申請が増えるといういたちごっこの中、保育所に代わる第2の受け皿として幼稚園を活用した「子育て応援幼稚園制度」を創設したことを紹介しました。これは幼稚園を朝8時から夕方6時まで開園してもらうもの。箕面市では、平成17年頃から、幼稚園と保育所の所管を一つにした「こども部」を設け、担当者を一人にしたことで、私立幼稚園に対しては公立幼稚園や公私立保育所ほど公費が投入されていないといったことが明らかとなり、市独自に私立幼稚園を支援することとしたのです。制度スタート後、保育所への利用申請は3歳未満に重点化されるなどの効果が見られたということです。そこから、他の自治体でもいろいろと取り組んでいるはずであり、「自治体を競わせてもらいたい」と訴えました。
 井崎さんは、つくばエクスプレスの開通を契機に、共働き家庭に住んでもらう戦略を展開してきたことを報告しました。「母になったら流山市」「父になったら流山市」と宣伝する一方、保育所の整備、保育ステーション(駅前で子どもを受け入れ郊外の保育所へバス送迎する)の充実などを図った結果、千葉県内で最も子ども比率が高い自治体となったことを明らかにし、「政策によって人口構成を変えることもできる」と説きました。
 社会保障制度改革国民会議の委員も務める駒村さんは、「子ども・子育て支援制度も、20年前、介護保険制度について議論し始めた時にやっておくべきだった」と話し、年金・医療制度を機能させるためにも、女性の仕事と子育ての両立を可能にする新制度が重要な点を強調しました。また、子どもにとっては保育の質も重要であり、職員配置を充実させるなど質を向上させるために、「あと2000億円から3000億円の財源投入が必要」だと訴えました。さらに、子ども・子育て支援施策に対する自治体の姿勢には温度差があるだけに、子育てNPOなどが地方版子ども・子育て会議に積極的に参加し、地域の子育て文化を作らなくてはいけないなどと説きました。
 榊原さんも社会保障制度改革国民会議のメンバー。駒村さんととともに、子ども・子育て支援施策の圧力団体として発言されています。15年前に出産し、仕事も子育ても中途半端だという反省の中、「次の人に同じような苦労はさせたくない」との思いで活動。子ども・子育て支援施策が社会保障の柱に位置づけられるようになったことについて、「ようやく子どもの施策が社会的に認識された」と評価しました。その一方で、今回の子ども・子育て関連3法が「当事者が声をあげて作った法律ではない」ことから懸念を示します。今の中高年世代が子育てを始めた頃から母親が育児不安を抱える状況には変化がないことを挙げ、まだまだ「当事者の声が足りない」というのです。また、すべての子ども・子育て家庭という視点で、虐待を受けた子どもなど社会的養護に対する支援の充実も忘れてはならないことを付け加えました。さらに、現政権が経済成長を強く主張する背景には、「経済がよくならないと消費税は上げない」という含みであることに触れ、「景気が上がらなくても消費税は上げるべきという声をだすべきではないか」と訴えました。

 ここで、コーディネーターの両団長が新制度への期待を両首長に質問。倉田さんは、「これまでより自治体の自由度が上がる。新しい認定こども園制度などは、既存の幼稚園を活用しやすいのではないか」と期待を示しました。井崎さんは、地域によって幼稚園や保育所の設置状況などが異なることから、自治体が地域のニーズに応じて判断することになるが、「自由度を生かせない自治体もあるのではないか」との懸念も示しました。

 勝間団長は、子育て支援に予算を投じても、すぐに税収に結びつかないといった点から、子ども・子育て支援施策が広がらないのではないかと疑問を投げかけました。
 それに対して倉田さんは、子どもと高齢者に対する行政サービスは赤字だが、子育て世代では黒字になっているという実情を紹介。箕面市のような住宅都市は、子育て世帯が住み続けることで市を支えてくれることになるので、子育て支援は投資的な意味があると強調しました。
 また駒村さんは、日本全体の出生率の底上げが大事な点を指摘。自治体によって子育て支援施策に差が生じることは問題として、地域の子ども・子育て施策が充実するよう地方版子ども・子育て会議を活用して、自治体に圧力をかけることが重要なことを訴えました。
 山崎さんは、「自治体は何もやらないと叩くのではなく、子育て分野にカリスマ職員を呼び、褒めて伸ばしてもらいたい」と要望。3割程度の自治体で、地方版子ども・子育て会議が設定されると、100%の普及につながるとの見通しを明らかにしました。

 安藤団長は、地方版子ども・子育て会議が実効力のある組織となるための工夫について疑問を投げかけました。
 それに対して榊原さんは、フランスの家族会議が参考になると紹介。フランスの家族会議では、子育て当事者や労働組合以外に、首長や議会の委員長、団体の代表者などもメンバーとなっており、会議での論議が最高レベルの意思決定となっていること、その会議で議論する際には子ども・子育て施策の効果といった有益な調査が出されていることなどを挙げました。
 また、駒村さんは、地方版子ども・子育て会議が形骸化しないように、全国的なランキングなどを取り入れるよう提案しました。

 参加者からは、「家庭で子育てできる仕組みも大事ではないか」といった意見も寄せられました。
 これに対して山崎さんは、地域の子育て支援事業は自治体で創意工夫できる内容となっている点を挙げ、全国ランキングするなどして自治体の頑張りを促すよう提案。子育てにはいろいろな議論があることから、みんなで子どもや親を支え合う仕組みとすることが大事ではないかと話しました。
 これらの発言を受けて勝間団長は、「本日参加した人は、最低5人に伝えることが大事。それが世論となり社会を動かす」と訴えました。

 パネルディスカッションの冒頭の論議を聴いた森まさこ大臣は、「勇気がわいた。国会には女性議員が少なく、子育て政策への理解も低いが、地域や現場の声を吸い上げて、政府としてもしっかり取り組みたい」と、今後の姿勢を示しました。


  最後に、堀田力団長が、政治家や関係省庁、地方自治体、子育て当事者、企業などに対し、子ども・子育て支援新制度への参画や協力を呼び掛けるアピール文を読み上げました。



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